世界有数のツル越冬地である鹿児島県出水平野に、16年ぶりにタンチョウが飛来しました。
北海道に生息するタンチョウ(下写真)は留鳥又は漂鳥ですが、ユーラシア大陸に生息する
タンチョウは、朝鮮半島や中国東北部で越冬する渡り鳥です。
タンチョウは漢字では「丹頂」と書きますが、丹とは「赤いもの」という意味で、下写真の
ように頭頂部は赤くなっています。
また、丹波地方や丹後地方では古代米の赤米が作られていたそうですから、その名残が
地名として、残っているのかも知れません。
タンチョウの食性は雑食性で、種子や穀類などのほか、昆虫・ミミズ・川魚・カエルなど
も食べます。
巣は、オスメス協力して作り、抱卵もオスメス交代で行います。
なお抱卵については以前ご紹介しましたが、この時期、北海道では雪やみぞれが降る時も
あります。
ポイントは、オスメスが交代する時でも、直ぐに卵を抱かないということです。
つまり、1日に数回卵を冷やすことによって、卵内のヒナの発育を調整しているのです。
通常2個産卵し、31~36日でふ化した後、3日で巣を離れるようです。
タンチョウに限らず、地上に巣を作る鳥にとっては巣が外敵の標的になりやすく、出来るだけ
早く、巣を離れる必要があるのです。
翌年の2~3月頃になると、若鳥の独立を促すために、親鳥は若鳥への給仕を減らしたり、突い
たりして、突き放します(子別れ)
この頃の親鳥は、子育てから次の繁殖へスイッチが切り替わります。