今日9月19日は、正岡子規の命日(糸瓜忌)です。
子規は明治期に活躍した俳人・歌人ですが、結核(脊椎カリエス)により、35歳の若さで
この世を去りました。
「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」は、あまりにも有名で、俳句に興味のない方でもご存知の
ことと思います。
結核は結核菌が飛沫感染して起こり、ほとんどは肺に病巣を作りますが、血管やリンパ管を
介して内臓・リンパ節・骨など、あらゆる場所に病巣を作る可能性があります。
背骨に病巣ができたのが、脊椎カリエスです。
結核は、古代エジプトのミイラから典型的な痕跡が見つかるなど、人類の歴史と共にある
古い病気ですが、WHOの推計では世界人口の1/4が感染し、2016年だけでも約1,000万人が
発症、約170万人が死亡していると考えられています。
特に患者の多い地域が、アジアとアフリカです。
そもそも結核菌は、酸やアルカリなどの化学物質にも強く、100℃で煮沸しても5分ほどは
生存し、低温や乾燥にも強いことから、地球上で生き延びてきたと考えられています。
1944年、ワクスマンが放線菌(下右写真)から作り出したストレプトマイシンは、結核の
治療に劇的な効果をもたらし、1952年、ワクスマンはノーベル生理学・医学賞を受賞して
います。
その後は耐性菌の出現などもあり、現在では、複数の薬剤を組み合わせた化学療法が行わ
れています。
現在、結核菌は人型・牛型・アフリカ型・ネズミ型の4種に分類され、人は人型や牛型から
感染します。
犬は、人型結核菌に対して低感受性であるものの感染例があり、さらに猫は、犬よりも感受性
が高いと考えられています。