今日4月8日は、忠犬ハチ公の日です。
ハチは天然記念物にも指定されている秋田犬です。
秋田犬は主人に対する忠誠心が強く、温厚な性格の大型犬ですが、その一方で攻撃性も強い
ため、しっかりとした躾も必要になります。
元々秋田犬の祖先は、クマやイノシシ・鹿などの猟のお供をしていたマタギ犬ですから。
ハチは昭和10年3月8日に死亡しましたが、命日から1年後に、秋田犬群像維持会などにより
ハチ公の日が制定されました。
東京の渋谷駅にある銅像は有名ですが、実は現在の銅像は昭和22年に再建された二代目で、
初代はハチの亡くなる1年前(昭和9年)に建てられています。
ただ初代は、先の大戦(太平洋戦争)に金属供出されたため、一時、銅像が無くなった経緯が
あります。
それも終戦前日の8月14日ですから、何とも皮肉なものです。
ハチは大正12年生まれで、翌年から東京帝国大学農学部教授の上野秀三郎博士に飼われ、渋谷
駅まで送り迎えをしていたそうです。
さらに1年後(大正14年)博士が亡くなると、その後毎日、渋谷駅で主人の帰りを待ち続けたと
言われています。
また2015年には、東大農学部内に上野博士とハチ公の銅像も建てられています。
ハチの死因については、腹水が数リットルも溜まるなどフィラリア症※が原因と考えられてきた
ものの、剖検記録にフィラリアの存在が一言も触れられていないのは不思議でなりません。
当時の犬にフィラリア症が多かったことから、特に記載する必要もなかったのでしょうか。
※フィラリア症:犬では最も有名な寄生虫症で蚊が媒介し、親虫は心臓などに寄生します。
ハチの病理解剖は東京帝国大農学部獣医学科の病理細菌学教室(当時)で行われ、剖検記録を
書いたのは家畜病理学の世界では有名な山本修太郎博士ですから、とても書き忘れるとは考え
られないのですが、、、。
2011年3月、東京大学農学生命科学研究科よりプレスリリースがありました。
保存されていたハチの臓器をMRI検査や組織検査を行ったところ、肺や心臓に広範な悪性腫瘍
の増殖巣が見られたとのことでした。
当時としては長生きだったハチですから、その分、いろんな病気にも罹っていたのでしょう。