鹿児島市は11月28日、市内の動物実験施設の職員がBウイルス感染症を発症したと発表しま
した。
日本はもちろん、アジアでも初めてのことです。
Bウイルスはマカク属のサルの半数以上が潜在的に感染(自然宿主)していると言われており
人がBウイルスを持ったサルに咬まれると、2週間から 1か月余りの潜伏期間の後、水膨れや
発熱などの症状が出て、悪化すると脳炎や意識障害など、重い中枢神経疾患を発症します。
現在のところ、鹿児島市は感染者の容体を明らかにしていませんので、心配です。
マカク属のサルは、エイズやインフルエンザなどのワクチン開発、薬剤の安全性確認など、
医学研究には欠かせない役割を果たしていますが、過去のBウイルス感染者は全て研究者
又はサル飼育施設の従業員です。
ですから、サルの取り扱いには十分、気を付けなけらばなりません。
私自身も動物公園勤務時代、いろんな動物に咬まれた経験がありますが、幸いサルには
咬まれていません。
※マカク属のサル:ニホンザルやアカゲザル(下左)、カニクイザル(下右)など
またBウイルスという名前ですが、最初の感染者となった人の名前から付けられており、今
までに50例ほどが知られています。
Bウイルスは、人のヘルペスウイルス(帯状疱疹)のように神経節に侵入し、再活性化する
ことにより、感染性Bウイルスを排出するようになります。