6月4日からの1週間は、その語呂合わせから歯と口の健康週間となっています。
(一昔前は、虫歯予防デーだったような)
あまり知られていませんが、6月4日は虫の日にもなっており、手塚治虫氏(故人)らの
呼びかけで設立された日本昆虫クラブが、1988年に制定したものです。
手塚治虫と言えば、我々の世代にとっては正に憧れで、毎週土曜日の午後7時から放送
されていた鉄腕アトムは、待ち遠しい限りでした。
(当時はもちろん、白黒放送でしたが)
他にもジャングル大帝、ブラックジャックなどなど、数え上げればきりがありません。
虫にはチョウやトンボ・ホタルなど、我々の生活に受け入れられているものもいますが、
一方でハエやゴキブリ・蚊などの嫌われものもいます。
中でも蚊は、様々な病原体(原虫やウイルスなど)を媒介するので、人類にとっては最大
の脅威となる虫(生物)と言われています。
有名なマラリアは世界三大感染症の一つで、熱帯・亜熱帯地域を中心に流行している世界的
にみても重要な感染症です。
WHOによると、世界100か国ほどで流行し、年間約2億人が感染・約50万人が死亡している
そうですから、大変な脅威です。
マラリア原虫を媒介するのはハマダラカで、実は日本にも生息しています。
他にも、数年前に話題になったデング熱を媒介するネッタイシマカやヒトスジシマカなど
の俗にいうヤブカや、日本脳炎を媒介するコガタアカイエカなどがいます。
ところで、人や動物を吸血するのはメスの蚊で、オスは吸血しません。
そのメスも、常に吸血するわけではありません。
蚊はオス・メス共に花の蜜や果汁を常食にしていますが、メスは卵を産むために人や動物
の血液を必要としているので、メスにとっては欠かせない特別食なのです。
また血液と花蜜は、電車のポイントのような切り替え装置によって別々の器官へと送り
込まれ、花蜜などの糖分はエネルギー源として使われます。
先日もある街で、ポイントの切り替えミスによる市電の脱線事故がありましたが、蚊では
そのようなミスはないとのこと。
1回の吸血で約5mg吸われた血液は徐々に消化され、150~200個の卵を成長させる栄養源
となり、メスは吸血から4~5日後に産卵します。
蚊は気づかれないように吸血するため、まず唾液腺から唾液を肌に注入します。
唾液には凝血を防ぐ酵素、痛みを和らげる局所麻酔剤、消化剤などが含まれており、吸血
された人の肌は、唾液によるアレルギー反応で赤く腫れ、痒くなります。
蚊のメスも、子孫を残すために命懸けで吸血しているのです。