コウモリというと皆さんは、どんなイメージを持たれているのでしょうか。
虫を食べたり、家畜の生き血を舐めたりする不吉で怖い動物
のイメージでしょうか。
確かに、小型のコウモリの中には狂犬病やエボラ出血熱など、致死率の高い病原体を媒介
するものもいますが、その一方で、農作物などの害虫を食べてくれる益獣でもあることは、
あまり知られていません。
コウモリには、超音波を出して虫などの動物質を主食にする小型のタイプと、(一部の種
を除いて)超音波を出さず、果物や花蜜などの植物質を主食にする大型のタイプの2種類
がいます。
オオコウモリの中でも、首の部分の被毛が「首輪」のように見えるものを、クビワコウモリ
と呼び、エラブオオコウモリもクビワコウモリの仲間です。
成獣のオスでは首輪部分が黄色くなり、メスでは白いままです。
(なお、小型のコウモリの仲間にもクビワコウモリ属のコウモリがいますが、オオコウモリ
とは別な種類になります)
さて、エラブオオコウモリの生息地北限とされる鹿児島県の口永良部島では、3年前の2015年
久しぶりに見る島の風景が今後どうなるのか、懐かしくも心配しながら、ニュースを見て
いました。
なぜなら今から30年ほど前、亡き父と長男の俊(シュン:当時3歳10カ月)3人で、口永良部島を
訪れたことがあったからです。
目的は勿論、エラブオオコウモリを見るためです。
実はこの年の3月、島で教鞭を執りながらエラブオオコウモリの保護・研究をされていたk先生
が異動することになりました。
先生は当時、エラブオオコウモリを保護しており、異動に伴い新たな世話人を探したものの
見つからず、やむなくオス・メスを本土に持ち帰りました。
しかし、エラブオオコウモリは国指定の天然記念物であり、個人での飼育が認めらなかった
ため、動物園で引き取り飼育することになったのです。
先生からは、島にある金岳(カナガタケ)小中学校の校庭にある
ワシントンヤシの木に夜間、オオコウモリが良く集まること
を聞いていたので、一人で学校まで見に行きましたが、時間
帯が悪かったのか、その日は見ることはできませんでした。
そんなに都合よくはいきませんね。
なお口永良部島は、世界のオオコウモリ類の生息地北限になります。