ナマケモノ:
ナマケモノは中南米に生息する動物で、前脚の指の数で2種類に
分類されます。
前脚の指が2本のフタユビナマケモノと、3本のミユビナマケモノ
です。
※ミユビナマケモノは日本の動物園にはいません。
ナマケモノは、極端に体力(エネルギー)を使わない省エネ生活を送る道を選び、今日まで
生き延びてきました。
決して、怠けているわけではありません。
あらゆる動物にとって、一番大切なことは己の遺伝子を残すことですから、各動物ごとに、
自然界で生き抜くための、特異的な生き方があってもいいのです。
我々人間や、他の動物と比べること自体がナンセンスです。
エサ探しのエネルギーを節約するため、彼らは身近にある木の葉や果実を少しだけ、食べる
ことにしました。
また体温を一定に保ったり、筋肉量が多いと大事なエネルギーを使い過ぎるので、気温に
よって体温を変動させ、筋肉量も減らしました。
その筋肉量の少なさから、ナマケモノはスローな動きしか、出来ないのです。
安全な樹上で生活するナマケモノですが、週に1度程度のトイレの時は、地上に降りて用を
足します。
ナマケグマ:
ナマケグマ※は、インド・ネパール・スリランカなどに生息しているクマです。
強力な前脚のツメで巣に穴を開け、大好物のアリやシロアリを
ズルズルと音を立てながら、吸い込むようにして食べます。
その音は大きく、100m離れても聞こえると言います。
また、アリを吸い込み易くするため、邪魔になる上あごの切歯が退化しました。
※現在、日本の動物園では見ることができません。
どうしてナマケグマという名前が付けられたのでしょう?
ナマケグマは、その強力なツメで木の枝にぶら下がることもできます。
その様子から、発見当時はナマケモノの仲間だと思われてしまい、その名が付けられたよう
です。
他のクマにない特徴としては、子どもを「おんぶ」して移動することです。
科学的にクマの仲間だと証明されたのであれば、名誉回復のためにも名前を変えることは
できないのでしょうか。
アホウドリ:
アホウドリは、国際保護鳥であると同時に、日本では特別天然記念物になっている鳥です。
アホウドリは19世紀末から20世紀前半にかけて乱獲※され、一時、
絶滅したと思われていましたが、1951年に再発見されました。
※羽毛目的のために、数百万羽が犠牲になりました。
主な繁殖地は伊豆諸島の鳥島と、何かと話題になる尖閣諸島です。
地上から直ぐに飛び上がれず、簡単に人間に捕まってしまうこと、隣で仲間が殺されていても
逃げない様子から、阿呆な鳥という不名誉な名前が付けられたようです。
でも、アホウドリにも当然、警戒心はあります。
だからこそ、容易に外敵の来ない「絶海の孤島」などで繁殖しているのです。
「アホウドリ」という名前は、日本鳥学会が名付けた標準和名(ひょうじゅんわめい)です。
これに対して、長年、アホウドリの研究・保護活動をされてきた東邦大学の長谷川先生は、
敬意を込めて「オキノタユウ(沖の大夫)」と呼ぶことを提唱されています。
この呼び名は、山口県長門地方の漁師の間で使われていた地方名で、大夫は神主を意味して
いるそうです。
これからは、「沖の海にすむ大きくて気品のある鳥」ということで、オキノタユウと呼ぶ
ことにしましょう。
ハゲタカ:
主に腐った肉などを食べる、ハゲワシ類やコンドル類の総称をハゲタカと呼んでいます。
ハゲタカは、死んだ動物の体の中に頭を突っ込んで肉などを食べる
ため、顔や頭が汚れてしまいます。
その汚れが原因で病気になることもありますから、顔や頭・首の
羽毛をなくすように進化しました。
ただし、何をどのように食べるかによって、ハゲている部分に違い※があります。
※あまり頭を突っ込まない種では頭だけ、奥まで突っ込む種では首までハゲているといった
具合です。
ある研究グループの調査によると、頭から500種類もの細菌のDNAが検出され、中には有毒の
細菌もあったそうですから、ハゲることに意味があったとも言えます。
ハゲタカ類は、自分の遺伝子を残すことを優先し、敢えてハゲになったのです。
人間の場合、髪の毛は女性ホルモンと関係しますから、相対的に
男性の方が髪のトラブルは多くなります。